持続化補助金で「ホームページだけ」は申請できない|経費の組み合わせ方

目次

【はじめに】

「補助金を使って、ホームページをつくりたい」——。小規模事業者持続化補助金を調べ始めた方の多くが、最初にそう考えるのではないでしょうか。

ところが、この補助金は、ホームページの制作費だけでは申請できません。公募要領には、「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」とあります。第20回からは、ネット広告やSNS広告を計上する「広報費」も、単独では申請できなくなりました。

先に結論をお伝えすると、持続化補助金では、ホームページの制作費だけで申請することはできないため、展示会・チラシ・商品の改良など、ほかの販路開拓の取り組みと、お客様の行動の流れでつなげて計画するのがポイントです。

この記事でわかること
  • なぜホームページだけでは申請できないのか(制度の目的)
  • 8つの経費区分と、Web関連の扱いお客様の行動から組む「経費の組み合わせ」
  • 4パターン申請額と自己負担の目安(補助率2/3・後払い)
  • よくあるNG例(交付決定前の発注など)
  • 計画づくりの進め方

※この記事は、小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領(第8版・2026年7月21日公開)をもとにしています。申請の前に、必ず最新の公募要領と事務局の案内を確認してください。

なぜホームページだけでは申請できないのか(制度の目的)

公募要領は、この補助金の目的を次のように書いています。

「小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。」

キーワードは「販路開拓等の取組」です。補助の対象は、新しいお客様に届けるための取り組みそのもので、ホームページはその手段の1つという位置づけです。だから、ホームページ単体ではなく、販路開拓の計画の中に組み込む必要があります。

DPDも、補助金の支援ページで「補助金はゴールではなく、販路開拓を前に進めるための手段。」と書いています。「補助金で何をつくるか」から考えると、計画がちぐはぐになることがあります。「どう売るか」から考えると、ホームページの役割がはっきりします。

8つの経費区分と、Web関連の扱い

経費の区分主な内容Web関連で気をつけること
①機械装置等費補助事業に必要な機械装置等の購入パソコン・タブレットなどは対象外。ウェブサイトやシステム開発に関連するソフトウェアは③で計上
②広報費パンフレット・ポスター・チラシ・ネット広告・SNS広告など第20回から上限30万円(補助金の額・税込)。単独では申請できない
③ウェブサイト関連費ウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用上限30万円(補助金の額・税込)。単独では申請できない
④展示会等出展費展示会への出展や、商談会への参加関連する運搬費なども対象
⑤旅費展示会・商談会の会場との往復など、販路開拓のための旅費視察やセミナーに参加するための旅費は対象外
⑥新商品開発費新商品の試作品や、包装パッケージの試作開発—
⑦借料補助事業に直接必要な機器・設備のリース料・レンタル料事務所の家賃は原則として対象外
⑧委託・外注費①〜⑦にあたらない業務で、自ら実行することが困難なものの委託・外注ウェブサイト・システム開発の委託は、⑧ではなく③で計上

※公募要領(第8版)をもとに要約。個別の経費の区分は、申請前に事務局へ確認してください。

見落としやすいのが⑧委託・外注費です。公募要領には、「ウェブサイト、システム開発等に係る委託・外注費については、③ウェブサイト関連費にて計上してください。」とあります。制作会社への支払いを委託・外注費に入れて、ウェブサイト関連費の上限を避けることはできません。

第20回では、ウェブサイト関連費の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から「30万円(税込)」に変わり、ネット広告・SNS広告は広報費の対象になりました。変更点の詳しい比較は、「持続化補助金 第20回の変更点|ウェブサイト関連費は上限30万円へ」で解説しています。

注意:採用や、会社のPRだけが目的の広告は対象外

公募要領は、広報費について「単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は、補助対象外です。」としています。
対象とならない経費の例には、「商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告・看板・会社案内パンフレット作成・求人広告」も挙げられています。
採用の強化は大切な経営課題ですが、この補助金では、商品・サービスの販路開拓につながる取り組みが対象です。

お客様の行動から組む「経費の組み合わせ」4パターン

経費は、「何をつくるか」ではなく、お客様が自社を知り、比べ、問い合わせるまでの流れで選びます。流れがつながっていると、計画に一貫性が出ます。

パターンお客様の流れと、使う経費向いている事業者の例
1.展示会で出会う④展示会に出展して出会う → ③製品紹介ページ(LP)で詳しく知る → 問い合わせ。②SNS広告で出展を告知製造業、BtoBの商材を扱う事業者
2.新メニューで地域に知ってもらう⑥新しいメニュー・商品を試作 → ②チラシで知る → ③予約ページで比べる → 来店・予約。②地域を絞ったネット広告で、ページへの入口を増やす飲食店や菓子店など、地域の店舗
3.新商品を届ける⑥新商品やパッケージを試作 → ③ECサイトで販売 → ②SNS広告で知ってもらう食品・雑貨の製造や販売
4.新しいサービスを始める①新サービスに必要な機械装置を導入 → ③サービス紹介ページで知ってもらう → ②DM・チラシで既存のお客様にも案内新しいサービスを始める事業者

※組み合わせの考え方の例です。ウェブサイト関連費と広報費だけの組み合わせが認められるかは公募要領に明記がないため、どの例もほかの経費と組み合わせています。実際に補助の対象となるかは、計画の内容と公募要領で確認してください。

DPDの「戦略型・小規模事業者持続化補助金」のページでは、「設計思想から選ぶ6つの再構築テーマ」として、ブランドの再構築、Web導線の再設計、広告と追客の一体設計、展示会やリアルの営業の資産化などのテーマを紹介しています。これらのテーマは、どれも「何をつくるか」ではなく、「お客様にどう届けるか」から出発しています。

DPDがこれまでに支援した採択事例では、総事業費は約135万〜210万円でした。展示会への出展・専用のLP・動画・広告を組み合わせた例もあります。なお、これらは過去の公募回の事例で、第20回ではウェブサイト関連費や広報費の上限が変わっています。

「何に使うか」ではなく、「どう売るか」から逆算する

DPDの「戦略型・小規模事業者持続化補助金」の支援では、Web・広告・展示会を一体で設計しながら、申請の準備までサポートします。
補助金ありきではなく、事業・販路戦略の整理から伴走します(申請は事業者ご本人が行います)。

→ 戦略型・小規模事業者持続化補助金(第20回公募対応)を見る

申請額と自己負担の目安(補助率2/3・後払い)

補助上限上限まで使う場合の経費の合計(補助率2/3)自己負担
50万円(通常)75万円25万円
100万円(インボイス特例)150万円50万円
200万円(賃金引上げ特例)300万円100万円
250万円(両方の特例)375万円125万円

※補助率2/3で計算(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)。経費・自己負担は補助の対象になる経費の額で、課税事業者の場合は税抜きです。消費税は、免税事業者などを除き補助の対象外のため、後払いまでの間は、消費税を含めた全額を先に支払うことになります。特例は、補助事業の終了時点で要件を満たす必要があります。

もう1つ大切なのが、お金の流れです。
公募要領には「補助金は後払いです。」とあります。経費は、まず全額を自社で支払い、補助事業が終わって実績報告をしたあとに、確定した補助金が振り込まれます。
補助金の額だけでなく、入金までの資金繰りも計画に入れておきましょう。
採択後の流れは、[持続化補助金の採択後にやること|Web制作の進め方と注意点]で詳しく紹介します。

よくあるNG例

NG例理由
交付決定の前に、ホームページ制作を発注・契約・支払いした公募要領に「交付決定日前に行われた発注・契約・支出行為は、補助対象外です。」とある(展示会等への出展の申込みだけは例外あり)
ホームページだけ、広告だけで申請したウェブサイト関連費も広報費も、単独では申請できない
補助事業の期間内に、ホームページを公開・運用できなかった「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ」は対象外
ホームページの戦略づくりを、コンサルティング費用として計上した「ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング、アドバイス費用」は対象外
成功報酬型(成果報酬型)の広告を使った「売上高や販売数量、契約数等に応じて課金される経費や成功報酬型の費用」は対象外
1件50万円(税込)を超える発注で、見積もりを1社からしか取らなかった2者以上から見積もりを取り、より安価な発注先を選ぶ必要がある
10万円(税抜き)を超える支払いを、現金で行った支払いは銀行振込が大原則。旅費などを除き、1取引10万円超(税抜き)の現金払いは認められない

※公募要領(第8版)より。

計画づくりの進め方

進め方
販路開拓の目標を決める

誰に、何を、どう売るか

進め方
お客様の行動の流れを書く

知る→比べる→問い合わせる(買う)

進め方
流れに合う経費を選ぶ

4つのパターンを参考に

進め方
見積もりを取る

1件50万円(税込)を超える発注は、2者以上から

進め方
商工会・商工会議所に相談する

事業支援計画書(様式4)の発行受付は、2026年12月4日まで

進め方
電子申請する

GビズIDプライムで、2026年12月15日17:00まで(事業者ご本人が申請)

計画書の書き方は、[持続化補助金の計画書でWeb施策を書くコツ|販路開拓の流れで書く]で紹介します。
DPDの支援では、オンラインでの無料の戦略整理から始め、補助金を活用できるかを判断したうえで、設計の考え方を決め、経営計画書づくりをサポートしています。

よくある質問

ホームページとSNS広告だけの組み合わせで、申請できますか?

ウェブサイト関連費と広報費は、どちらも「ほかの経費と一緒に」申請する必要がありますが、この2つだけの組み合わせが条件を満たすかどうかは、公募要領に明記されていません。事務局や、地域の商工会・商工会議所に確認しましょう。

今あるホームページの改修にも使えますか?

ウェブサイト関連費は、「販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」とされています。改修も対象になりえますが、販路開拓の取り組みとして位置づけることが前提です。

採用ページの制作に使えますか?

公募要領には、求人広告や、商品・サービスの宣伝広告を目的としない会社案内パンフレットなどが対象外の例として挙げられています。採用ページについての明記はありませんが、この補助金の対象は販路開拓の取り組みです。採用が主な目的の場合は、申請前に事務局や商工会・商工会議所に確認してください。

パンフレットの作成は対象になりますか?

商品やサービスを宣伝するためのパンフレット・チラシは、広報費の対象例です。一方、商品・サービスの宣伝広告を目的としない会社案内パンフレットは、対象外の例に挙げられています。

補助金は、いつ振り込まれますか?

後払いです。補助事業を終えて実績報告を提出し、補助金の額が確定したあとに請求し、振り込まれます。採択されてすぐにお金が入るわけではない点に注意しましょう。

まとめ

  • 持続化補助金の目的は「販路開拓等の取組」の支援。ホームページは、その手段の1つ
  • ウェブサイト関連費も広報費も、単独では申請できない(第20回はどちらも上限30万円)
  • 経費は「何をつくるか」ではなく、お客様の「知る→比べる→問い合わせる」の流れで組む
  • 補助金は後払い。自己負担と入金までの資金繰りも計画に入れる
  • 交付決定前の発注、期間内に運用に至らないホームページ、相見積もりなしなどのNG例に注意
Web・広告・展示会を、販路開拓の流れで設計する

DPDの「戦略型・小規模事業者持続化補助金」の支援では、補助金ありきではなく、「どう売るか」から逆算して、Web・広告・展示会を一体で設計します。
経営計画書づくりのサポートから、採択後の制作・実行まで伴走します。

→ 戦略型・小規模事業者持続化補助金(第20回公募対応)を見る / → 初回無料相談はこちら


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※補助金の要件や対象経費は、公募の回や公募要領の改訂で変わることがあります。申請の前に、必ず最新の公募要領と事務局の案内を確認してください。

この記事を書いた人

松口 賢士(まつぐち けんじ)
Duo Partner Design合同会社 代表社員/Webコンサルタント・デザイナー
フリーランスを含め約13年デザイン会社を経営したのち、100名規模の企業でブランディング事業部長として11事業のWeb・マーケティング・採用を担当。
現在は「コンサルティングから始めるWeb制作」を掲げ、中小企業の経営とWebをつなぐ伴走支援を行っている。


参考資料

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