中小企業が脱炭素に取り組むメリットとその活用方法とは?
世界各国で脱炭素の動きが加速し、地球の環境改善に向かう態勢は整いつつあるかのように見えます。
しかし、中小規模の企業・事業者の中には、「カーボンニュートラルなどという壮大な取り組みが可能なのは国や自治体、大企業だけではないのだろうか」とお考えの方もまだまだいるのではないでしょうか。
ところが、中小企業は今こそ脱炭素経営に注力する必要があるのです。それはなぜか?
今回は、中小企業が脱炭素経営に取り組んだ方が良い理由と、取り組むことで得られるメリットについて解説します。
御社が現在どのくらい脱炭素体質企業なのか、現状を簡単にチェックできる章も用意しましたので、ぜひ参考にしてください。
【地球環境現状の衝撃】中小企業に脱炭素経営が必要な理由
オゾン層の破壊が初めて報告されたのは1970年代半ば。1980年代には、オゾン濃度が薄くなって空洞のように見える「オゾンホール」の出現が確認され、その後の研究により、オゾン層破壊に特定フロン類が関わっていることがわかりました。
オゾン層はもともと紫外線から地球上の生物を守る作用があります。このままオゾン層を壊す人工化学物質フロンが発生し続けると、大切なオゾン層はますます損なわれます。
オゾンホールの面積は2006年に最大化したと報告されており、オゾン層の破壊に歯止めをかけなければ、紫外線量は増加し続け、皮膚がんや白内障が増加したり、生物多様性への悪影響に拍車がかかったりすることは避けられないでしょう。
参考:経済産業省 ケミカルワンダータウン https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/chemical_wondertown/library/page01.html
しかしながら、モントリオール議定書に基づいて脱炭素が進めば、2020年代にはオゾンホールの面積は減少に転じるものと試算されています。
モントリオール議定書は1987年に採択されたフロン規制のための議定書です。この議定書により、先進国ではクロロフルオロカーボン類の生産が全廃されています。
また、人間の手による里山や湿地の開発、有毒な化学物質、外来生物の影響などによって生態系が大きく乱れていることも私たちに突き付けられた喫緊の課題といえるでしょう。同時に、地球温暖化が及ぼす生態系の変化も指摘されています。
1975年以降、年間4万種程度の動物・生物がコンスタントに絶滅しているという報告もあります。地球環境負荷活動への参加は、もはや何人にとっても待ったなしであり、今後は規模や立場に関係なく、誰もが脱炭素に取り組む必要があるのです。
御社はいくつ実践していますか?脱炭素経営度チェック
中小企業が脱炭素を着実に進めていくには、「知る・測る・減らす」の3つのステップを踏んでいくことが重要です。あなたの会社は、どのくらい脱炭素できていますか?
✔ | 御社はこれをやっていますか? |
「2050年カーボンニュートラルとは何か」を説明できる | |
取引先企業の脱炭素の現状を把握している | |
自社の年間温室効果ガス排出量を把握している | |
自社の使用電気量・ガス量などを把握している | |
再生可能エネルギーによって発電した電気を導入・活用している | |
クレジット制度を活用している | |
自社内の照明はほとんどLED | |
脱炭素関連の補助金を活用している |
✔数が1~2の中小企業は「脱炭素頑張り始め」
✔数が3~6の企業は「脱炭素中級」
✔数が7~8あれば「脱炭素上級会社」 といえるのではないでしょうか。
中小企業が脱炭素に取り組めばビジネス上のメリットも豊富
中小企業が脱炭素に取り組むと、ただ単に地球環境改善に貢献できるだけでなく、ビジネス上においてもさまざまなメリットに恵まれます。取り組む前にはハードルが高いと思われる脱炭素ですが、軌道に乗ればいいこと尽くめ。ここでは、中小企業が脱炭素に取り組むことで得られるメリットを紹介します。
電気代など光熱費削減に繋がる
脱炭素への取り組みを行うことで、再生可能エネルギーの導入などに繋がれば、それまで使っていた電気代やガス代といった光熱費や燃料費を効果的に削減することができます。
脱炭素対策となる設備導入には一定の費用がかかりますが、長い目で見ればまとまったランニングコストを削減できることは大きな魅力です。補助金を賢く使えば、初期費用もカット可能。
新規契約・取引継続に有利に働く
大企業・上場企業は先んじて脱炭素を進めていますが、こうした企業はサプライチェーンにも脱炭素経営を求めざるを得ません。それは、製品・サービスを提供、廃棄するまでのすべての過程で脱炭素に注力しなければならないためです。
このことから、脱炭素に取り組んでいない中小企業は、そもそも競争のステージに上がることができなくなっています。取引契約を締結・継続するには、脱炭素への取り組みが必要条件であり、頑張れば頑張るほど競争に強くなるのです。
金融機関の信頼度が高まり融資面に好影響となる
環境問題に真摯に取り組むことは、外部からの企業評価を高める効果も期待できます。金融機関からの評価も良くなるため、融資を受ける際などに好条件が得られる可能性もあるでしょう。
脱炭素の取り組みに注力している会社は、環境問題を重視していない企業とは反対に、将来性がある会社と見なされやすく、企業価値の向上を目指せます。
プロモーションやブランディングに活かせる
脱炭素に取り組み、企業評価を高めることができれば、向上したイメージを本来の事業のプロモーションや企業ブランディングに活用することが可能です。
これまでプロモーションやブランディングに「何か足りない」と感じていた中小企業も、脱炭素や環境問題への取り組みを販促や営業に活かすことにより、環境保全と同時に企業の活性化を両立させることができます。
中小企業が脱炭素をプロモーションに活用するメリット
中小企業は脱炭素への取り組みを自社の製品・サービス販促などのプロモーションに活かすことができます。そして脱炭素をプロモーションに活用することは、さらなる好循環を生むことでしょう。ここでは、中小企業が脱炭素をプロモーションに活用するメリットをご紹介します。
社内の環境に対する意識改革を可能にする
自社が脱炭素に取り組む企業であることを対外的にアピールするにつれ、社内の環境意識は自ずと高まります。プロモーションを通じて自社のブランド価値を意識するようになった社員は、その価値を維持・向上させようと努力するようになります。
営業力や提案力を培うことができる
脱炭素や環境問題への取り組みは、社内の知識・経験を豊かにします。脱炭素や省エネに関わる製品・サービスを開発した場合、日頃から実践している脱炭素への取り組みが営業・提案に説得力をもたらすでしょう。
環境意識の高い有望な人材を集められる
現代の若者は、環境活動に取り組んでいる企業への就職を希望しがちです。環境意識の低い企業には将来性を見出せないこともありますし、イメージが良いという単純な理由もあるかもしれません。脱炭素に取り組む中小企業は、環境問題への関心が高い優秀な人材に入社先として選ばれる可能性が大いに高まるでしょう。
企業のブランド力・価値が高まる
脱炭素に取り組む中小企業としてプロモーション活動を展開していくと、その活動がイメージとして定着し、企業のブランドとなります。企業としての価値や評価が高まりブランド化できれば、集客や販促がスムーズになるため、そこからさらなるビジネスの好循環に繋げることが可能です。
脱炭素をプロモーションに活用する方法
脱炭素への取り組みをプロモーションに活用するには、ホームページや採用サイトなど、企業のWebサイトに活動をアピールするコンテンツを掲載したり、デザインに活かしたりする方法が効果的です。
自社が現状どのように見えているのか、そして今後どんな企業になりたいのか、その分析をするには、プロモーションの専門家へのご相談も有効的。
弊社はWebを通じてプロモーション・営業・企業ブランディングの支援を専門的に行う会社です。脱炭素経営を着実に進めながら、その活動実績をビジネスに賢く活用するためのお手伝いをしています。
営業やブランディングをはじめ、脱炭素や関連補助金に関する知見を持つ会社なので、脱炭素の取り組みと事業活性化をどちらも推進したいとお考えでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。
まとめ:脱炭素への取り組みは新たな商機や人材確保の入口となり得る
脱炭素だなんて大変そう。知識も経験もないのにカーボンニュートラルなんて無理。そもそも環境問題に取り組んで自社に何かメリットはあるの?……そんなふうにお考えの中小企業経営者の皆様、これからは脱炭素への取り組みが常識化する時代です。
会社自身が脱炭素経営に舵を切れば、多くのメリットが得られ、もしかするとこれまでの経営課題を解決するヒントさえ得られるかもしれません。
すぐれた倫理観のある会社は必ず必要とされます。また、そこをビジネス面で上手に活かしてこその商売。バランス良く進めるために、ぜひ脱炭素を事業運営に組み入れてみてくださいね。