WEB担当者を「とりあえず任命」してはいけない理由

ホームページを作り、SNSを動かし、広告も出した。それなのに、期待した成果が出ない。 そんなとき、多くの企業が陥ってしまう「形だけの体制」があります。

「とりあえず、若い人(詳しそうな人)をWEB担当にしよう」
「制作会社に丸投げして、担当者は窓口だけでいいよね」

もし心当たりがあるなら、つまずきの原因は担当者のスキル不足ではなく、会社の「体制」そのものにあるかもしれません。「任命して終わり」の運用では、WEBサイトはただの看板で終わってしまいます。 この記事では、担当者を「更新係」で終わらせず、自走する組織へと変えるための「運用の型」を整理して解説します。


目次

担当者問題の本質は“権限と目的の不在”

WEB担当者が動けなくなる原因は、本人のスキル以前に「環境」にあります。

1)目的がない(WEBに何をやらせたいかが曖昧)

WEBは、放っておくと「何でも屋」になります。会社紹介、採用、問い合わせ、資料請求、SNS、広告、ブログ…全部やろうとして、全部中途半端になります。まず必要なのは、WEBの役割を一言で言えることです。

  • 営業型:問い合わせ・商談を増やす
  • 広報型:信頼と理解を積み上げる
  • 採用型:応募とミスマッチを減らす

役割が曖昧だと、担当者は「何を優先すべきか」が決められません。

2)権限がない(決められない)

WEBは“作業”だけでは成果が出ません。成果を出すには、必ず「決める」が必要です。

  • 誰に向けるか(ターゲット)
  • 何を売りにするか(価値)
  • 何を優先するか(予算・時間)
  • どこを直すか(導線・ページ・広告)

担当者が「作業はするけど、決められない」状態だと、前に進みません。だからこそ、担当者を置く前に “誰が何を決めるか” を決める必要があります。


任命して失敗する典型パターン(更新係/丸投げ/判断できない)

よくある失敗は、だいたいこの3つに分かれます。

パターン1:更新係(言われたことだけやる)

「ブログを更新して」「お知らせを載せて」で終わる状態。戦略がないため、頑張っても数字に繋がりません。

どうなるか
  • 作業は増えるのに、問い合わせは増えない
  • 担当者が疲れて止まる

パターン2:丸投げ(制作会社に任せきり)

制作会社は「作るプロ」であっても、貴社の「商売のプロ」ではありません。社内に判断軸がないと、見た目が綺麗なだけの「反応が出ないサイト」になりがちです。

どうなるか
  • 「作ったのに反応がない」
  • 改修のたびに追加費用、判断も先延ばし

パターン3:判断できない(相談相手がいない)

担当者が一人で抱え込み、他業務に押されてWEBが止まります。数字を見ても「次の一手」が出せなくなります。

どうなるか
  • 数字を見ない(見ても次の一手が出ない)
  • 施策が点在し、改善が積み上がらない

解決策は判断基準を固めること

ここからが本題です。WEB担当者を置くなら、先に決めるべきは「作業」ではなく“決める人”です。
なぜなら、WEBは「更新」や「投稿」そのものよりも、

  • 誰に向けるのか
  • 何を成果とするのか
  • どこまでやるのか

という判断の積み重ねで、結果が大きく変わるからです。担当者が頑張って動いていても、判断が毎回ぶれる会社は伸びません。逆に言えば、決め方が整えば、少ない工数でも改善が回り始めます。

まず決めるべき最重要事項3つ

体制づくりは難しそうに見えますが、最初はこの3つだけで十分です。この3つが決まると、担当者が迷わず動けます。

PRIORITY
WEBの役割(主戦場)

WEBを「営業の入口」にするのか、「広報の信頼づくり」にするのか、「採用の母集団づくり」にするのか。
ここが曖昧だと、記事も広告も導線もバラバラになります。

PRIORITY
最終ゴール(成果の定義)

問い合わせ◯件、応募◯件、資料請求◯件など。
「良い感じ」「アクセスが増えた」ではなく、何が増えたら成功かを数字で決めます。

PRIORITY
担当者が決めてよい範囲(権限)

予算・表現・ページ修正・外注発注など、どこまで担当者が決めてよいか。
ここがないと、担当者は“確認待ち”で止まり、結局動けません。

誰が何を決めるか(中小企業向け)

上の3つは「何を決めるか」でした。次は「それを誰が決めるか」を固定します。
中小企業で多い失敗は、担当者に“判断”まで背負わせることです。判断が上にないと、担当者は「作業係」か「丸投げの窓口」になり、成果に繋がりません。そこでおすすめなのが、判断は上、実行は担当、材料は現場で分ける形です。

DECISION
社長・責任者が決めること(=判断)
  • WEBの役割(営業/広報/採用のどれを主戦場にするか)
  • 最終ゴール(例:問い合わせ◯件/応募◯件)
  • 権限の線引き(予算の上限、OK/NGの基準)
  • 今月の優先順位(どの数字を伸ばす月か)
DECISION
WEB担当者が決めること(=進め方)
  • 具体作業の計画(何を、いつ、どの順で)
  • 数字の確認と仮説(どこが詰まっているか)
  • 外部への依頼・進行管理(制作・広告・記事など)
    ※ただし「権限の範囲内」で動くのが前提です。
DECISION
現場(営業/採用/CSなど)が出すもの(=判断材料)
  • よく聞かれる質問
  • 断られる理由/辞退理由
  • お客さん・応募者の言葉

この分担にすると、担当者は“作業だけの人”ではなく、数値を伸ばす『改善の司令塔』として動けるようになります。

会議体を1つだけ決める

役割分担は、紙に書いただけだとすぐ崩れます。だから最後に、判断の場を1つだけ固定しましょう。

  • 月1回(30〜45分):社長・責任者+WEB担当者で「役割/ゴール/優先順位」の確認
  • 週1回(15分):WEB担当者が「数字→詰まり→次の一手」を共有(チャットでもOK)

この2つがあるだけで、「担当者が迷う」「確認待ちで止まる」「外注が言いなりになる」といった状態を大きく減らせます。


チェックリスト(役割分担・会議体・レビュー)

「任命して終わり」を防ぐためのチェックリストです。当てはまらない項目が多いほど、成果が出にくい体制になっています。

役割分担

  • WEBの役割(営業/広報/採用)が一言で言える
  • 最終ゴール(例:問い合わせ/月)が決まっている
  • 担当者が“決めていい範囲”が決まっている
  • 外部に頼む範囲(制作/広告/記事/解析)が決まっている

会議体(話す場)

  • 月1回、社長/責任者がWEBの優先順位を決める時間がある
  • 週1回(短時間でOK)、担当者が数字と次の一手を共有する場がある
  • 営業/採用など現場から「お客さんの声」が上がる仕組みがある

レビュー(確認のしかた)

  • 直す順番が「入口→中身→出口」になっている
    • 入口:見つけられるか(検索/広告)
    • 中身:判断材料があるか(比較/安心)
    • 出口:行動できるか(導線/フォーム)
  • “見た目”の議論だけで終わっていない
  • 1回の改善で、見る数字を3つ以内に絞っている

最小の運用設計(週30分で回る型)

忙しい会社ほど、重い運用は続きません。なので最初は、週30分で回る型に落とすのが現実的です。

週30分の内訳

STEP
10分:数字を見る(現状把握)
  • どの流入が増えた/減った?(検索・広告・SNSなど)
  • よく見られているページは?
  • 問い合わせ/応募は増えた?
STEP
10分:詰まりを1つ決める(入口/中身/出口)
  • 入口(集客):そもそも人が来ていない
  • 中身(内容):来てはいるが、魅力が伝わらずに帰っている
  • 出口(誘導):興味はあるが、どこから申し込めばいいか分かりにくい
STEP
10分:今週の“1アクション”を決める
  • 入口:検索で狙うテーマを1本決める
  • 中身:料金・事例・比較の不足を1つ補う
  • 出口:問い合わせボタンの位置、フォーム項目を1つ直す

ポイントは、「やることを増やさない」こと。「今週は問い合わせボタンの色だけ変える」といった、具体的な一歩を決めます。


まとめ:担当者を置く前に、会社として決める

WEB担当者を置くこと自体が間違いではありません。成功する会社は、任せる前に「迷わない土台」を先に用意しています。

  • 役割(何を主戦場にするか):営業/広報/採用のどれを主戦場にするか
  • ゴール(何を成果とするか):問い合わせ◯件、応募◯件など、成果の定義
  • 権限(どこまで任せるか):担当者が決めてよいこと・確認が必要なこと
  • (週1回、数字を共有する場):数字を見て、次の一手を決める場(週次・月次)

この4つが揃うと、担当者は「更新係」ではなく、数値を伸ばす『改善の司令塔』になります。外部に依頼する場合も、丸投げではなく「目的に沿って使う」形になり、ムダな施策が減ります。

DPDでは

まず社長・責任者の方と一緒に、WEBの役割(営業/広報/採用)と、今どこが詰まっているか(入口/中身/出口)を整理します。そのうえで、やることを増やすのではなく、優先順位を決めて“今週やる1手”に落とす形で、制作・SEO・広告・運用までつなげて支援します。

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