求人に応募が来ない中小企業が見直すべき「応募前の自社サイト」

目次

【はじめに】

求人媒体に掲載料を払って、募集を出している。求人票の閲覧数もそれなりにある。それなのに、応募が来ない——。そんな「見られているのに応募されない」状態に、悩んでいませんか。

その原因は、求人票の外にあるかもしれません。DPDが32歳以下の若者100名を対象に行い、2023年に公開した独自アンケートでは、求人サイトやハローワークなどで知った企業にエントリーする前に、その企業のホームページを見たかという問いに「はい、見ました」と答えた人が93.8%にのぼりました。求人票で興味を持った人の多くが、応募する前に会社のサイトを確かめている様子がうかがえます。

先に結論をお伝えすると、求人媒体で興味を持った人の多くは応募前に会社のホームページを確認する傾向があるため、求人票とサイトの情報・言葉がそろっているかを最初に見直すことが大切です。

この記事では、応募前に求職者がしていること(DPD独自調査より)、求人票とサイトの「ズレ」3パターン、求職者が応募前に知りたい3つの情報、既存のサイトに採用ページを1枚足す小さな改善、応募フォームの見直し、効果の見方を紹介します。

この記事でわかること
  • 応募前に求職者がしていること(DPD独自調査の数字)
  • 求人票とサイトの「ズレ」3パターン
  • 求職者が応募前に知りたい3つの情報(仕事内容・人・数字)
  • 既存のサイトに採用ページを1枚足す、小さな改善の進め方
  • 応募のハードルを下げるフォームと連絡手段の見直し
  • 応募経路を記録して、効果を確かめる方法

応募前に求職者がしていること(DPD独自調査より)

DPDのアンケートでは、次のような結果が出ています。

設問結果
「新卒および転職総合サイト、ハローワーク、学校の求人案内等で知った企業にエントリーする前に、その企業のホームページを見ましたか?」「はい、見ました」93.8%
「就職および転職活動をしたとき、どの媒体が最も参考になりましたか?」企業ホームページ48.0%、採用サイト24.0%、就活サイト23.0%、SNS3.0%、その他(YouTube)
「採用サイトのない企業をどう思いますか?」DX化や時代感覚が遅れている企業かもしれないと感じる40%、入りたい企業なら構わない40%、今どきありえない20%
「企業の採用サイトの情報の質と量は、エントリーの意思決定にどの程度影響しますか?」50%以上影響すると答えた人が9割超(80%影響45.5%、50%影響39.4%、100%影響9.1%)
  • DPDが32歳以下の若者100名を対象に行ったアンケート(2023年公開)。回答の選択肢は一部要約しています。

求人媒体は「入口」で、応募するかどうかを決める大きな材料の1つが、その先の会社のサイトにある。そう考えると、求人票を書き直すより先に、応募前に見られるサイトを見直すほうが効くことがあります。

ちょっと深掘り:「最も参考になった」のは、SNSより企業のホームページ

若い世代はSNSで情報を集める、というイメージがあるかもしれません。けれども同じアンケートで「最も参考になった媒体」としてSNSを挙げた人は3.0%で、企業のホームページ(48.0%)が最も多い結果でした。

SNSは会社を知るきっかけとして役立ちますが、応募の判断材料としては、会社のサイトに書かれていることが重視されていると考えられます。

求人票とサイトの「ズレ」3パターン

求人票で興味を持った人がサイトを見て応募をやめてしまうとき、そこには何らかの「ズレ」があることがあります。代表的なのが、次の3つです。

ズレよくある例見直し方
情報のズレ求人票とサイトで、給与・勤務時間・休日・勤務地が違う。サイトの募集要項が古いまま事実はすべて一致させる。サイトの募集要項を最新にする
言葉のズレ求人票は「アットホームな職場」、サイトは堅い会社案内だけ。同じ会社に見えない会社の一言紹介と、求める人物像の言葉をそろえる
熱量のズレ求人票は熱心なのに、サイトの採用ページは募集要項だけ仕事内容・人・数字が分かる情報を、サイトにも置く

DPDの記事[若い人に選ばれない会社のホームページ5つの特徴|応募が来ない原因と改善策]でも、「採用ページに募集要項しかない」「情報が長期間更新されていない」といった特徴を挙げています。

注意:求人情報には、守るべきルールがある

2022年10月施行の改正職業安定法により、求人を出す企業にも、求人情報を正確・最新の内容に保つことが求められています。

また、2024年4月からは、募集の段階で「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」などを明示することが必要になりました。求人票だけでなく、サイトの募集要項も、内容が最新で、求人票と一致しているかを確かめておきましょう。

求職者が応募前に知りたい3つの情報(仕事内容・人・数字)

DPDのアンケートでは、採用サイトへの要望として、次のような声が寄せられています。整理すると、求職者が知りたいことは、大きく「仕事内容」「人」「数字」の3つに分けられます。

知りたい情報若者の声(DPD調査の自由回答より)サイトに置くもの
仕事内容「社員さんの1日に密着した動画などが見たい」「社内の雰囲気、仕事内容が分かる写真や動画」1日の流れ、具体的な業務、仕事中の写真
人「現社員の経験談/現社員がどのように就活したかを知りたい」「未経験で入った人の経験談、現状を聞きたい」「求める人物像を詳しく伝えてほしい」社員インタビュー、求める人物像、代表のメッセージ
数字「残業時間・離職率・平均勤続年数などを数値化して見せてほしい」「過去の採用実績を知りたい」残業・休日・勤続年数などの数字、採用実績

さらに、「いいところだけではなく、改善点やマイナス面も伝えてほしい」という声もありました。
良いことだけを並べた採用ページより、大変なところも正直に書いたページのほうが、かえって信頼されることがあります。

小さく始める改善:既存サイトに採用ページを1枚足す

採用のために、いきなり専用の採用サイトをつくる必要はありません。まずは今のホームページに、採用ページを1枚足すところから始めましょう。
採用サイトが必要かどうかの判断は、[採用サイトは本当に必要?作る前に考える判断基準|必要な会社・不要な会社の違い]で詳しく紹介しています。

順番載せる内容ポイント
1求める人物像「どんな人と働きたいか」を具体的に。求人票と同じ言葉で
2仕事内容と1日の流れ時間ごとの流れと、写真を添える
3社員の声(1人からでよい)入社前の不安と、続けている理由を聞く
4数字で見る働き方残業・休日・勤続年数など、3つほどから
5この仕事の大変なところ大変さと、会社としての取り組みをセットで
6募集要項求人票と完全に一致させる。最終更新日を書く
7応募・見学の方法電話・フォーム・見学会など、複数の入口を用意する

また、採用ページの求人情報には、Googleの「求人情報(JobPosting)」の構造化データを設定する方法もあります。
設定すると、Google検索の求人検索の機能(Google しごと検索)に表示されやすくなるとされています。対応は、制作会社に相談してみてください。

求職者が知りたい情報を整理した、採用ページ・採用サイトづくり

DPDの採用サイト制作「採用強化のために今できるWeb制作」は、若者へのアンケートの結果をもとに、事業や待遇などの基本情報に加えて、社員の体験談やトップのメッセージなど、求職者のニーズが高い情報を盛り込みます。
「会社と就活生とのマッチングがうまく行く採用サイトづくりを進めます。」というのが、DPDの考え方です。

応募フォームと連絡手段の見直し

サイトを見て「応募してみよう」と思った人が、最後の一歩でやめてしまうこともあります。次の点を見直してみてください。

  • フォームの項目は最小限に:最初から履歴書の内容をすべて書かせない。名前と連絡先、希望する連絡方法があれば十分なことも多い
  • スマートフォンで試す:自分のスマートフォンで実際に入力してみる。入力しにくい、表示が崩れる、は大きな離脱の原因になる
  • 「まずは話を聞きたい」の入口をつくる:応募の前に、見学やカジュアルな面談を申し込めるようにする
  • 返信は早く:問い合わせや応募には、できれば1営業日以内に返信する。返信の速さも、会社の印象を左右する

効果の見方:応募経路を記録する

改善の効果を確かめるには、応募者が「どこで知り、何を見て応募したか」を記録することが欠かせません。面接や面談のときに、次のことを聞いて表に残しておきましょう。

記録する項目聞き方の例
知ったきっかけ「当社のことは、どこで知りましたか?」
応募前に見たもの「応募の前に、当社のホームページは見ましたか? どのページが印象に残りましたか?」
応募の決め手「応募しようと思った決め手は何でしたか?」
不安だったこと「応募の前に、不安だったことや、分からなかったことはありますか?」

あわせて、アクセス解析(GA4)で、採用ページが見られた回数と、応募フォームの送信数を毎月確かめると、どこで止まっているかが見えてきます。「不安だったこと」の答えは、そのまま採用ページに足すべき情報になります。

よくある質問

採用サイトを別に作ったほうがいいですか?

採用の人数や頻度によります。

年に数名の採用なら、まずは今のホームページに採用ページを1枚足すところから始めるのがおすすめです。採用ページで手応えを確かめてから、専用サイトを検討しても遅くはありません。

職場の写真がありません。

スマートフォンで撮った、普段の仕事の写真で十分です。

きれいに作り込んだ写真より、実際に働いている様子が伝わる写真のほうが、求職者の知りたいことに近いこともあります。写っている社員には、掲載の了承を得ましょう。

求人票の文章は、どこまでサイトと合わせればいいですか?

給与や勤務時間などの事実は、すべて一致させてください。

そのうえで、会社の一言紹介や求める人物像など、会社の芯になる言葉をそろえると、同じ会社として伝わりやすくなります。

応募が来ないのは、給与などの条件のせいではないでしょうか?

条件が影響することはもちろんあります。

ただ、DPDのアンケートでは、採用サイトの情報の質と量がエントリーの判断に50%以上影響すると答えた人が9割を超えました。条件を変える前に、伝え方で変えられることがないかを確かめる価値はあります。

SNSでの発信も必要ですか?

SNSは、会社を知ってもらうきっかけとして役立ちます。

ただ、DPDのアンケートで「最も参考になった媒体」にSNSを挙げた人は3.0%でした。まずは、SNSから来た人が見る自社のサイトを整えることを優先しましょう。

まとめ

  • DPDの独自調査では、エントリー前に企業のホームページを見た若者は93.8%。求人票の先にあるサイトも、応募を決める材料の1つになる
  • 求人票とサイトの「情報・言葉・熱量」のズレをなくす
  • 求職者が応募前に知りたいのは「仕事内容・人・数字」。大変なところも正直に伝える
  • まずは既存のサイトに採用ページを1枚足し、応募フォームのハードルを下げる
  • 応募者に「どこで知り、何を見たか」を聞いて記録し、改善を続ける
「見られているのに応募されない」を変えるところから

DPDは、会社の強みと求める人材像を整理するところから、マッチングを意識した採用ページ・採用サイトをつくります。動画やSNSも含めて、若い世代に届く発信の仕方を一緒に考えます。


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この記事を書いた人

松口 賢士(まつぐち けんじ)
Duo Partner Design合同会社 代表社員/Webコンサルタント・デザイナー
フリーランスのデザイナーとしてサインデザインに携わり、その後デザイン会社を経営しながら、さまざまな会社のブランディングを手伝ってきた。
100名規模の企業でブランディング事業部長を務めた時期には、複数の事業でWebやマーケティング、採用に関わり、多くのことを学んだ。
現在は「コンサルティングから始めるWeb制作」を掲げ、中小企業の経営とWebをつなぐ伴走支援を行っている。
専門学校や職業訓練校でWeb分野の講師も務める。


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