AI検索時代にSEO記事は意味がある?中小企業が書くべき記事の選び方

目次

【はじめに】

「AIが答えてくれるなら、もうSEO記事は読まれないのでは?」——。記事への投資を考えるとき、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

実際、米国の調査機関Pew Research Centerが2025年7月に公表した調査では、Google検索でAIの要約(AIによる概要)が表示されたとき、ほかの検索結果のリンクがクリックされた割合は8%で、表示されなかったときの15%のおよそ半分でした。

ただし、すべての記事が同じように読まれなくなるわけではありません。減りやすいのは、答えが1つで済む検索だと考えられます。

先に結論をお伝えすると、AI検索の広がりで「◯◯とは」のような定義の記事は読まれにくくなりますが、比較・判断・依頼先選びに役立つ記事や、自社の経験にもとづく記事は読まれ続けやすく、AIに引用される材料にもなりえます。

この記事でわかること
  • AI検索でクリックはどれくらい減ったのか(公開されている調査より)
  • 減りやすい記事と、残りやすい記事の違い
  • 中小企業が書くべき3種類の記事(判断材料・経験・FAQ)
  • AIに引用されやすい書き方
  • 書かなくていい記事の見分け方
  • 成果の測り方の見直し方(流入数だけで判断しない)

AI検索で、クリックはどれくらい減ったのか

調査対象・時期主な結果
Pew Research Center(2025年7月公表)米国の成人900人の閲覧データ(2025年3月)AIの要約が表示されたとき、ほかの検索結果のクリックは8%(表示されないときは15%)。要約の中のリンクのクリックは1%
Ahrefs(2026年2月公表)30万キーワードの集計データ(デスクトップ。2025年12月時点を、2023年12月からの推移をもとにした予測と比較)AIによる概要がある検索では、1位のページのクリック率が予測より58%低い
Seer Interactive(2025年11月公表)42社の、情報を調べる系の検索語3,119件(2024年6月→2025年9月)AIによる概要がある検索のクリック率は、1.76%から0.61%に低下
  • いずれも海外の調査です(Pewは米国の成人が対象)。日本の検索で同じ数字になるとは限りません。

なお、Seer Interactiveは2026年4月の更新版で、AIによる概要がある検索のクリック率が、2025年12月の1.31%から2026年2月には2.36%まで戻ったと報告しています(AIによる概要がない検索は3.82%)。数字は動いているため、続けて見ていく必要があります。

一方でGoogleは、2025年8月の公式ブログで、Google検索からサイトへの自然検索(広告以外)のクリックの総数は、前年と比べて比較的安定していると説明しています(原文は “Overall, total organic click volume from Google Search to websites has been relatively stable year-over-year.”)。
調査によって見え方は違いますが、「AIの要約が出る検索では、クリックが減りやすい」という傾向は、複数の調査に共通しています。

日本では、AIによる概要は2024年8月に、AIモードの日本語版は2025年9月に提供が始まりました。
ただし、総務省の『令和8年版 情報通信白書』によると、日常の買い物を検討するときに「AIのみ」「主にAI(他の方法は補助的)」と答えた人は13.0%で、「主に他の方法(AIは補助的)」「他の方法のみ」は59.3%でした。
日本では、買い物の検討でAIを主に使う人はまだ1割強で、AI以外の方法が中心の人が多いようです。

ちょっと深掘り:AIの要約は、どんな検索で出やすい?

Pewの調査では、AIの要約が表示された割合は、1〜2語の検索では8%でしたが、10語以上の検索では53%、疑問詞(だれ・何・いつ・なぜ)で始まる検索では60%でした。
Googleも、AIモードの日本語版を始めた際、AIモードの初期のユーザーの質問は「従来の検索クエリの 2 倍から 3 倍の長さ」だったと紹介しています。

長く、質問の形をした検索ほど、AIの要約が出やすい傾向があります。
そして「◯◯とは何か」のように答えが1つにまとまる質問は、AIの要約だけで用が済みやすいと考えられます(Pewの調査は米国の利用者の検索が対象で、日本語の検索で同じ傾向になるとは限りません)。

減りやすい記事・残りやすい記事の違い

減りやすい記事残りやすい記事
答えが1つで済む(「◯◯とは」「◯◯の意味」)状況によって答えが変わる(「◯◯と△△、どちらを選ぶべき?」)
どこにでも書いてある一般論のまとめその会社にしか書けない経験や事例
手順が決まっている一般的な「◯◯のやり方」判断が必要なこと(依頼先の選び方、費用の考え方)
用語の解説だけ失敗談や、よくある質問への本音の答え

Google自身も、2026年に公開した生成AI機能向けの最適化ガイドで、「初めて住宅を購入する人向けの 7 つのヒント」のような記事を「コモディティ化されたコンテンツ」の例に挙げ、通常、読者に独自の洞察をほとんど提供しないとしています。
そのうえで、「体験談は個人的な経験に基づいた独自の視点をもたらしますが、既存コンテンツの要約は、すでに他の場所で手に入れられる情報を言い換えたにすぎません。」と書いています。

中小企業が書くべき3種類の記事

種類例なぜ残るか
判断材料の記事「◯◯の依頼先の選び方」「費用はどう決まる?」「◯◯と△△の違い」読者の状況によって答えが変わり、AIの要約だけでは決めきれない
経験の記事失敗談、事例、現場で気づいたことその会社にしか書けない一次情報。Googleも実体験を重視している
FAQの記事商談でよく聞かれる質問と、その答え検索する人の具体的な疑問に、そのまま答えられる

Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」には、自己評価の質問として「コンテンツは、実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか。」が挙げられています。中小企業が持っている現場の経験は、まさにこの「実体験」です。

とはいえ、経験を持っている社長や職人ほど、書く時間がありません。DPDの資産化型SEO記事制作のページには、「インタビュー型で進める方法を大切にしています。」とあります。書いてもらうのではなく、話してもらって記事にする。そうすると、忙しい人の知見も記事になります。具体的な進め方は、[インタビューでSEO記事をつくる方法|忙しい社長や職人の知見を記事にする手順]で紹介します。

自社の経験を、読まれる記事に

DPDの「資産化型SEO記事制作」では、インタビューを軸に、会社の知識や経験を記事にしていきます。どのテーマなら自社にしか書けないか、というテーマ設計から一緒に考えます。

AIに引用されやすい書き方

  • 結論から書く:最初の段落で、検索した人の質問に答える
  • 根拠を添える:数字・出典・時点を書く
  • 独自の情報を入れる:自社の経験、事例、データ
  • 見出しで質問に答える:読者が知りたいことを、そのまま見出しにする

プリンストン大学などの研究チームが2023年に公開し、2024年の国際会議(KDD)で発表した研究では、出典や引用、統計を加えると、生成AIの回答の中での見えやすさが最大40%上がった一方、キーワードを詰め込む従来の方法では効果が見られなかったと報告されています(英語の検索を使った、模擬の検索エンジンとPerplexityでの実験)。

なお、Googleは「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」としています。生成AI機能向けの最適化ガイドも、「生成 AI 検索向けに最適化することは、検索エクスペリエンス向けに最適化することであるため、SEO であることに変わりはありません」としています。読む人のために書いた記事が、そのままAIの材料にもなる、ということです。

ちょっと深掘り:上位10位に入っていなくても、AIに引用される

Ahrefsが2026年3月に公表した分析では、AIによる概要に引用されたURLのうち、その検索語で上位10位に入っていたのは37.9%でした。2025年7月の分析では約76%だったので、大きく下がっています。
分析した筆者は、関連する質問を自動で検索して答えを組み立てる仕組みの影響とみています。
検索順位で大手に勝てなくても、具体的な問いにきちんと答えている記事なら、AIに引用される余地がある。
海外のデータですが、中小企業にとっては、悪い話ばかりではありません。

書かなくていい記事の見分け方

限られた時間で記事をつくるなら、書かない記事を決めることも大切です。次のどれかにあてはまるなら、優先度を下げましょう。

書く前のチェック

  • 自社の経験や意見が、一文も入らない
  • 検索結果の上位の記事を、まとめ直すだけになる
  • 自社のお客様が、検索しそうにないテーマ
  • 読んだ人を、サービスや問い合わせにつなげる道筋がない
  • 言葉の意味を説明するだけで終わる

「◯◯とは」の記事も、自社の経験や、判断の基準を加えれば価値が生まれます。テーマそのものより、「自社にしか書けない一文があるか」で考えるのがコツです。

成果の測り方を見直す(流入数だけで判断しない)

AIの要約が出る検索では、クリックが減っても、検索結果やAIの要約に表示される機会はあります。Search Consoleでは、AIによる概要やAIモードでの表示・クリックも、「検索タイプが『ウェブ』のパフォーマンス レポートに含まれます」。訪問数だけでなく、次の数字をあわせて見ましょう。

見る数字何が分かるか
表示回数検索結果やAIの要約に、どれだけ出ているか
クリック数・クリック率実際に記事を訪れた人の数と割合
記事からサービスページへの移動記事が「判断材料」として役立っているか
問い合わせ・資料請求最終的な成果
商談で「記事を読んだ」と言われた回数数字に出にくい効果。営業担当者に記録してもらう

Googleは、「AI による概要が表示される検索結果ページからのクリックは、より質が高いことが確認されています。」とし、その理由を「これは、ユーザーがサイトに長く滞在する傾向があるためです。」と説明しています。
クリックの数が減っても、来た人が問い合わせまで進んでいれば、記事は役割を果たしています。
サイト全体の見直しは、[ホームページで集客できない原因チェックリスト|作っただけで止まらないWEB運用15項目]も参考にしてください。

よくある質問

SEO記事は、もう書かないほうがいいですか?

書く記事を選べば、意味はあります。言葉の意味を説明するだけの記事は読まれにくくなりますが、判断材料・経験・FAQの記事は、読む人にもAIにも参照されやすい記事です。

AIに引用されれば、問い合わせは増えますか?

増えるとは限りません。Pewの調査では、AIの要約が表示されたページへの訪問のうち、要約の中のリンクがクリックされたのは1%でした。引用は「知ってもらうきっかけ」と考え、記事からサービスページ、問い合わせへの流れを整えておくことが大切です。

AI向けの特別な対策は必要ですか?

Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別な最適化は必要ないとしています。AIに自社がどう説明されているかを確かめる方法は、[ChatGPTに自社はどう説明される?AIに正しく紹介されるための情報発信]で紹介します。

記事を書くのに、生成AIを使ってもいいですか?

下書きや構成の整理に使うのは、効率化の方法の1つです。ただし、経験・事例・判断といった一次情報は、人から集める必要があります。社内で生成AIを使う際のルールは、[生成AIの社内ルールの作り方|中小企業がまず決める7項目(ひな形付き)]も参考にしてください。

何本くらい書けば、効果が出ますか?

本数より、記事の設計が大切です。テーマのまとめ方や内部リンクの考え方は、[SEO記事は何本書けば効果が出る?本数より大事な「記事の設計」3つ]で紹介します。

まとめ

  • ほかの検索結果がクリックされた割合は、AIの要約が表示されないときは15%、表示されたときは8%(Pew、米国)。ただし日本では、買い物の検討でAIを主に使う人は13.0%(総務省)
  • 減りやすいのは、答えが1つで済む「◯◯とは」の記事。残りやすいのは、判断材料・経験・FAQの記事
  • AIに引用されやすいのは、結論から書き、根拠と独自の情報がある記事。Googleは「SEO であることに変わりはありません」としている
  • 自社の経験や意見が一文も入らない記事は、優先度を下げる
  • 成果は、表示回数・サービスページへの移動・問い合わせまで含めて見る
記事を、会社の資産として育てる

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この記事を書いた人

松口 賢士(まつぐち けんじ)
Duo Partner Design合同会社 代表社員/Webコンサルタント・デザイナー
フリーランスのデザイナーとしてサインデザインに携わり、その後デザイン会社を経営しながら、さまざまな会社のブランディングを手伝ってきた。
100名規模の企業でブランディング事業部長を務めた時期には、複数の事業でWebやマーケティング、採用に関わり、多くのことを学んだ。
現在は「コンサルティングから始めるWeb制作」を掲げ、中小企業の経営とWebをつなぐ伴走支援を行っている。
専門学校や職業訓練校でWeb分野の講師も務める。


参考資料

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